ふと思い立ち、旧立石トンネルに向かうことに
プロフィールに書いてあるとおり、1970年代生まれの私が若い頃、友人たちと集まって夜のドライブといえば、夜景スポットや心霊スポットなどを目指したものだ。
異論はあるだろうが、実際当時の地方都市において夜に遊べる場所など限られており、さしてお金も掛からず夜でも盛り上がれる場所といえば、まさにそれくらいのものだったのだ。
そんなむかし話はいいとして、今回一人ライドで向かうのはスタート地点から近く、かつて心霊スポットとして名を馳せた「旧立石トンネル」だ。
まずは地図で旧道を調べる
さてそこに向かって走ることは決めたものの、昔のトンネルに向かう峠道がどこにあるのかいまいちわからない。
現在は新立石トンネルが出来、そのトンネルまでの道も綺麗な2車線道路となって久しい。
地図アプリで拡大しなければ出てこないような、細く山の中をくねくね曲がって続く道を見つけ、その道をアプリ上で辿っていくとトンネルがある。トンネルの名前は出てこないが、きっとここに違いないということで、自転車にまたがり出発!
ほとんど誰も通ってない道をひたすら登る
スタート直後からずっと坂を登り続け、新トンネルに向かう立派な道路の脇に、おそらく地図で見つけた細道への分岐を発見。
分岐からすぐの場所には数軒の民家があったが、それもすぐに無くなり、いよいよ本格的な峠道になってくる。路面の様子から、もうあまり車が通ることはないようだ。
標高が低い山なので、登坂嫌いの私でも何とか登りきれる程度のはずだが、意外と手強い山なのかもと思い始めた頃に、未舗装路への分岐と思われる少しだけ広くなった場所が現れた。上がった心拍数を落としつつ休憩。
ついに姿を現す、旧立石隧道
30年程前には何度か車で来たはずの峠道も全く記憶に無く、もしかして違う道に入ったかと思いながらも、ふたたび走り始める。日暮れも近い。
さっきの休憩場所から数百メートル走ったところで、突然それは姿を現した。旧立石トンネルである。
ここに至っても旧立石トンネルだという確信がないまま、ヘッドライトを点灯し中に向かって走り出す。
そして真っ暗だったトンネルの中が見えてきた瞬間に、記憶が甦る。そうだ!このトンネルは手掘りのトンネルだったと。
これは旧立石トンネルで間違いない。約30年ぶりにトンネルに到達。
さすがは地域で有名だった心霊スポット。ここを一人で夜に通るとなかなかの迫力に違いない。私はどちらかと言えば、あまり気にしないタイプではあるが。
しばし自転車を立てかけて写真を撮ったりする。もちろん誰も来ないし、物音ひとつしない。試しに声を発すると素晴らしく響く。
写真は真っ暗だと何も写らないため、ヘッドライトの明かりがある方を撮っているが、当然ながら写真に写っていない後ろ側は真っ暗闇。天井を見上げてみるが、特にコウモリがいたりすることもなかった。
この付近で手掘りのトンネルがそのまま道として残っているのは珍しいと思う。もっとも通行止めにはなっていないものの、ほぼ誰も通ることのないことが、この後にわかることになる。
トンネルを抜けると、そこはまるでダートだった!?
みなさんは次の写真を見てどう思われるだろうか?
そう、きっと未舗装路(ダート)だと思われたに違いない。現地に居た私もそう思った。
あれ?この峠道は全線舗装路だったと思うけどなぁ、今後は使わない道として舗装って剥がしたりするんだろうか?おかしいなぁ、と。
そんな事を考えながら、出口付近で何枚か写真を撮ったりしてると・・・、ん??
よくよく路面を見ると、微妙にアスファルト舗装がされているような・・・。
こりゃ、やっぱり舗装路ですな。
未舗装路にしか見えないくらいに堆積物が溜まり、それはすなわち普段ほとんど誰も通っていないということだ。
観察も充分したし、写真も気が済むまで撮ったし、日暮れ前に峠を抜けるためライド再開。
ここからはずっとご機嫌なダウンヒル。
しかしアスファルトがある上に、もはやダートの様になっているからか、普通のダートよりもとんでもなく滑ります。
徐々に暗くなっていく誰も居ない峠道。滑りやすい上に思い切り蛇行している下り坂をジャンジャン下っていく。これは楽しい!最高!!
さほど標高のない山とはいえ、充分楽しめる程度に下り坂は続き、ついに民家がちらほら見えてきた。
暗闇迫る中、最短距離である峠道をもう一回登って帰るほどの気力があるわけもなく、残された道はひと山かふた山迂回して帰るのみ。あとは戻る途中の写真だけ貼っておきます。
走行データ
距離:20.73km
タイム:1:20:46
平均速度:15.4km/h
総上昇量:240m
消費カロリー:399